20230627

 

 

冷房の匂い、薄く冷えた部屋

7月の影、私は自然とペンを握る

夏がそうさせた

夏がそうさせた

悲しみを知るあなたを愛している

悲しみを照らすことを知っている

あなたを愛している

晴天を泳ぐ白雲の船

水面のように揺れる青田

ぬるい風が僕を吹き抜けた

夏が袖を通る

僕の生まれた町を君はまだ知らない

狭い団地の5階

目を瞑ると思い出す風景

お母さん、あなたの元を離れるのは

海を渡ったあの国を知りたいから

でも僕はよく知っている

この青草を吹き抜ける風が

僕の故郷

帰ってくる場所