冷房の匂い、薄く冷えた部屋
7月の影、私は自然とペンを握る
夏がそうさせた
夏がそうさせた
悲しみを知るあなたを愛している
悲しみを照らすことを知っている
あなたを愛している
晴天を泳ぐ白雲の船
水面のように揺れる青田
ぬるい風が僕を吹き抜けた
夏が袖を通る
僕の生まれた町を君はまだ知らない
狭い団地の5階
目を瞑ると思い出す風景
お母さん、あなたの元を離れるのは
海を渡ったあの国を知りたいから
でも僕はよく知っている
この青草を吹き抜ける風が
僕の故郷
帰ってくる場所