地下都市というものをご存知だろうか。 ある一定の場所で、ある一定の時間だけ存在を確認することができると言われている。我々の街と何ら変わりはないのだが薄暗く生気の無い雰囲気はどことなくディストピア感が漂っている。とある学者によると、その都市と…

地下鉄這うねずみ 雨漏り水は甘いか 列車が来るぞ ごみと並ぶ灰色の毛並みは その体の小ささから すき間を逃げ惑い 人々は目を覆うが 隙間は広いことを知る 後腐れない生活 部屋の隅は明るいか 明日が来るさ 花を飾る大きなきみの手は その体の大きさは すき…

実は密かに溶けている私の話 私は呪いをかけられた。ある夜、突然に。 体がじわじわと、溶けてゆく呪いだ。 しかも、目に見えない規模で少しずつ。 だから、今は分からないけれど、何週間か、何ヶ月か、何年かすればきっと溶けきってしまうものなのだ。 今の…

誰かのためのうた、誰かのための青いギター、誰かのための花束、誰かのためのあの日、誰かのためのことばたち 君はバス停で待っていて 君のためのバスが来たから乗った きっと 向かう先 海の色は問わない この世界は窮屈だ いつもそう思うよ 通り過ぎる だん…