プールサイドラバー 2月号

 

 

君が思考の海を泳いでいるあいだ、わたしはその横顔を眺めるのが好きでした。

 

君がガラス玉の目で世界を斜めに眺めているときの、傾いたスノードームを君と一緒に俯瞰するのが、わたしにとって、空を飛ぶよりも美しかったのです。

 

誰かが遠くでしゃべっている 声がかすれてゆく
じゃあ わたしは 夢の中にゆくので さようなら さようなら

 

(完全な球体 2018)

 

 

 

君に会いたい、私のことをちっとも知らない君に会って、私にどうでも良い話をたくさんしてね。私が海の底に沈み切ってゆく途中、人間の香りが恋しくて、そういう君のたわいなさが私を救うことを知っているから、君を思ってるよ

 

 

(タイトル未定)

 

 

 

退廃的日常、これは僕の中で強く色気を持ち、響き、輝くものだ でも明によって浮き彫りになる暗だから、沈みきってしまえば、溺れきってしまえばまた明を求めはじめると思う
死に感化されることを美学とまではしないが、この詰まる思いが生きる意味を、力を加速させる

 


見よ、世界は美しい。午前三時の四畳間に漂う絶望が清々しくて 君の欲しがるあの白と黒はここにあるんだよって カーテンは閉めておこう 空になった何かが散らばってゆく床は憧れの世界だったよね あの音楽を流そう 真っ白になれるやつ
退廃美が結局僕をどこまでも支配する。心が求めるものはいつも絶対綺麗なんかじゃない。これで良いんだよ、ため息が出るほど美しいんだもん

 

(ディストピア+)