優しさ.zip

 


‪声の小さい教授、近所のニート、深夜レジ、どれも孤独で冴えない感じと不器用な幸福への想像が、切なさを勝手に構成していた‬

 

(2019)

 


卵を割ると黒ずんで腐った塊が重さを持って落ちていく夢を見て、それを思い出すたびに吐き気がしてとても気持ち悪い。今朝も部屋の電灯が粉々に割れる夢を見た。世界が悪い方向に向かっている、地球が怒っている…と実は少し本気で思っている 陰謀論者も悲観主義も私は違うそうではないが、希望を持てるにはかなり、とても時間がかかるんだろうなと思った

 

(2020/5/2 5:25)

 

 


毎秒恋していたい (大学四年生Ver.)

 
わたしがおばさんになった時、もう先生死んじゃうんだね。あなたのこと嫌いでした

でも本当はわたし、皆が話を聴いていないなか、あなたが小さく愛を語ったとき、すこし打ち震えたのは内緒です わたしには哲学なんてどーでもよかった、退屈が好きだった でもたまに思い出す たぶんこれからも

 

(2020/5/2)

 

ノリが違う

ノリが違う、ノリが違う…何人かに目の前で言われたことがあるような気がして目眩がしたが、これはかなり感覚的で無意識的な選別だなと思った。ノリが同じ人はごくたまにいる。大学には二人ほどいた。奇跡かもしれない。ノリという単語で人間間の空気を表せるのはすごい。ノリって何だよ。本当はどうでも良いことなのだと分かりながらも、でも僕らは確実にノリによって悩み苦しむこともあれば、楽しさや幸せを享受することだってあった…。

てかさーノリ違うよね?笑 が今夜もリフレインする。あれ、優しさだったのかな…

 

(2020/5/3)

 

優しさ.zip

 

「100年に一度あるかないかの事態で」

そう書き始められた教授の文を見て初めて事態を認識した。

 今年は大学最後の年だから、好きな屋上や図書館やホール前にもっといよう、気になる学科の人と友達になろう、ライブをして人前に慣れようなどと思っていたけど、無理でした。でも もちろん今できることはたくさんあるし、嘆くべき時に嘆くことも大事だと思うので、そういう期間にしようかと思う。

 

4月初めは今後延々と幽閉されるかもしれないと思い怖くて気が狂うかと思っていたけれど、段々と慣れてしまった。健康診断の結果は良くなかった。自分の身体が不気味になった。誰にも優しくできない日が続いた。今でもとにかく朝が早く来てほしいと思っている。

自分の家、祖父母の家、友達の家、あのアパートの一階、カオサン通り…とか、いろんな場所での朝を思い出す

目が覚めたときの感じ、匂いとか、空気がまたそれぞれ違う。誰とでもあの時が最後だった、なんてあり得るんだろうなーと最近では感じる。

 

中学の同級生が結婚し、出産をした。自分には一生関係のないことだしどうでもいいと思っていたが、送られてきた写真を見て泣きそうになっている自分がいて困った。美しいと思ったのだ。おめでとうございます。

人間の物理的な狂気を目の当たりにしてから感情に執着しない・情は最悪、諸悪の根源…などと思うようにしていたが私は全然人間だった。やっぱり押し殺すのはなんだか人間じゃなくなってしまいそうだ、でも傷つきたくないから結局またそうなるだろう。けど幸せを見るとひどく感動するんだな

非力な人間が世界のために出来ることとは、人に優しくいることではないでしょうか。とか思いました

 

限界な世の中ですがアルバムを作ってみようかと検討中です。

現場からは以上です

 

 

 

大学

 

彼女はいつも同じような服を着て、同じ革靴を履いていた、そしていつも黒髪のショートカットで眼鏡をかけていた。彼女は誰とも会話をしない。必ず一人で背筋を伸ばし堂々と教室を、学食を、帰路を、歩いていた。初めて会った時は何も思わなかったのだが、授業がよく被ったので認識はしていた。彼女の声はとても綺麗だがひどく小さかったのでよく教授に何回も何回も聞き返されていた。あまりに聞き返されるので いてもたってもいられなくなり、彼女の言葉を勝手に私が教授に伝えたりしてしまったこともある。それ以来会うたびに気になっていた。

初めて話したのは一年生の時で、授業前に隣に座って良いか聞いたときだけで、その後授業は何度も被るものの、話すことはなかった。でも、よく目が合うので、もしかしたら友達になれるのかもしれないと、ここ二年思っていた。思っていただけなので、私は卒業までに彼女と少し話がしたいと思った。そして現在、授業は春学期すべてオンラインとなってしまった。私は彼女と再び会話することなく卒業してしまうのか?それだけです。