雑記8

 

 

 

 

朝、しゃがみ込んで商品の陳列をする冴えない地元スーパーの店長の丸い背中

 

昼下がり、「パチンコ屋で財布失くしたらしいよ」「あの人借金もしてんのにどうなのかねえ」「お母さんと二人暮らしなんでしょう?いい年してねえ」「年金で暮らしてるんじゃあないの?」アルバイト先から聞こえる会話


夜、どれも私の胸をしめつける。

誰もが日常を疑わずにやっているのかもしれないし 誰もが演技と知っていてやっているのかもしれない。

私にはすべて物語に見える。関わることはないのだろう。しかし私自身も他者から見たら一部なのかもしれない、物語とかドラマとかの。

 

 

 

 

ああ、だるいだるい。

でも憂鬱のなかにどこか映画のワンシーンを見ている。相変わらず冴えない僕たちは、先のない濁った海をどこまでも泳ぐんだけれど、たまにみあげる雲の形が、幼いころふれたくて仕方なかったやつに似ていてしょうがなくて、だからまだまだ、だましだまし いや手に入れたいから 泳いだりたまに浮かんだりしている、それでいいよ。