(メモ001)

 

おかえりと言えない場所ならば

言ってあげられない

言ってもらえない場所ならば

 

願いが叶うまでに、同じ匂いをみつけるまでに、傷ついて信じる心が削れ切らずに残っていた、運が良いのかもしれない、ぼく

 

もののかたちをした

猫のかたちをした

人のかたちをした

すべてが不思議なかたちだ

触れあえばすべてだ

意志が子どものかたちをつくるなら

あなたから生まれたのか

きみは顔を忘れてしまったのか

あなたから生まれたのにぼくよりも小さいあなた

そしてぼくがまた紡ぐのだとしたら

 

血のつながった僕たちは触れあわないけど

嬉しいとき悲しいときにはまた触れあおう

小さいときにきみの顔を殴った

そのときの笑顔と小さなからだ

ごめんなさい でも

ぼくらはもうこんなに大きくなった

誰を愛するかは自分できめろ

たとえそれがぼくらを引き裂くことになっても?

 

ガラス玉みたいな目だ

きみの命が終わっても

また会えるんだろうと

今は思うことができる

宗教?スピリチュアル?

いや、これは、紛れもない現実

この世界に諦めがつくまで

何十年とじゃ足りないはずだから

 

若い肉、つやつやの肌

声が、ちゃんと出る

抱きしめたいな

この海のなかでまだあと少し

あの子たちを抱きしめていいかな