私が自意識に苛まれているとき、きみは部屋でポテトサラダを作っている

 


ほしいものがありすぎるのと同時に、いらないものが多すぎる。この二つの中身はほんとうは同じで、私はまた必要なものを見失っている。

洗ったばかりの足を泥水に浸して遊ぶように、今はただ、わざとこうしているだけなんだ、という顔をしてみせる。通りぬけた風は間抜けで、その温度は更に私とその物語を滑稽に見せた。そうだ、じゃあ、じゃんけんで勝った方がこの場を去ろう。本の中の世界に没入しすぎた君は、頭を冷やした方がいい。夜も眠れないほどに夢をみているその空想のポテトサラダに出会うことは、きっとないだろうから。

私はまたうつつを抜かしてきみを苦しめるのかもしれないし、きみは気にしていないのかもしれない。

さあ今夜も、さりげない4文字を喉元にとどめてはつまずきながら、雑踏を歩く。

 

 

 

 

私が自意識に苛まれているとき、きみは部屋でポテトサラダを作っている 2

 

略して、わたポテ2

 

私の抱える悩みにあなたの作るポテトサラダは関係ないのだ。語感が良いから持ち出したよ ごめんね。私の悩みは、風が吹けば飛んでいくようなものだね。笑える。肩の力が抜けたぶん、同時に背負っていたものも滑り落ちてしまったようだ。なんか飛んでったんだよね、あっちの方に。見えなくなったからもういいや。心を重くする正体を突き詰める作業が、もうめんどうだ。だいたい分かっているからこそ、めんどうだ。 なにかを言おうと、書こうとするとき、私はいつも、抽象的にしてしまう、し過ぎるあまり、自分でもなにを言っているのか分からない。ピントを合わせすぎるのは好きではないけれど、ぼやけすぎるのも問題だ。アバウトに生きすぎてて、ごめん…。そう、何かにつけて私は人に謝っている。やめたいなこれ。つまんないねこの話。ていうか充電器持ってる?貸してー