無題
夢を見た浅瀬で踊る 靴は流されていく
いつからか夏を描けないのはなにかのせい
変わらないなら変わるのなら ここにはいられない
教えてくれたのは右手 なぞる肌ゆびの先
まぶたの裏見ていた こびりついたままの季節
ゆすぐ口へんだと 笑われて嫌われないか
困った
汚い虫籠を捨てる気になれないままでごめん
書き慣れた言葉と声は もうここに置いていこう
変わらないで変わって僕ら このままでいいんだと
教えてくれたのはその目 張りつめた青い月
窓硝子の影には 映ったいつかの季節
揺らす波浸って 明日にはいらなくなるか
止まった
around20+
青い夜 見たことない汚さに目をおおいながら
取り戻されることのない20、そのズレとか
1+1を目の前にして真っ白になることとか
でも僕ら 虚像を見つめすぎるあまり
影になってしまいそうだった
影になってしまいそうなのに
平熱35度6分のうなす夢がどこまでも現実的で
病的なほど見える世界の狭さ横目に吐き気で
ノートに書きためた濃度のままで
わかってる どこにもない完成形を
あてのない海 泳いで
それ以外の探し方はどこにもないこと
なんで分からないんだろうね
名前を呼ばれるたび子どものままで
振りむいた どこにもない過去たちを
どこまでも 知ってる
君以外に帰る場所はどこにもないこと
なんで忘れちゃうんだよ