雑記6

 

 

 

 

 

アルバイト

 


東京駅が見えるからという理由で選んだアルバイトを今日で退職する。一年間で学んだ事がとても多い、店からも、客からも。実生活で役に立つこと、人に接する態度、おいしいご飯、優しさ…今の自分に与えた影響は計り知れない。

環境と習慣は人間に強い影響を与える。選べるならば選んでいくべきだ。思えばこの街が好きだった。初めて歩いた時のときめき、今でも思い出せる。

でも私は、何よりも、窓から見える東京駅が好きだったのだ

何もかも永遠に続くなんて勘違い、幻想だ。いつか終わりがくる。必要な存在でない限り。

仕事はできなくてもたわいない会話をする人とその救済。上の立場の人間の戦いと孤独。打合せが眠くて後日にまたにしたと笑いながら教えてくれた、

メニューに目を通す。忘れないように。この字体やバランス、臙脂色で思い出す日が来るように。

厨房の人が口笛を吹いている。ゴミを捨てに行くときに厨房を通る。生温い風と調理器具、飛び交う中国語。没有了!好了。

 

次に働くのは、隣町の喫茶店だ。隣町の。

人生の舵取りが荒い。状況を新しくしようとする癖がある。自分を変えたい時に周囲を振り回さなきゃいけないと思っている。きっとそんなことないかもしれないが、でも簡単な方法ではある。新しくいたい気持ちが強い。許される今許されていくべきだ、決意かただのわがままか。

窓から見える東京駅が、離れると大きく見える現象を解明できないまま。お世話になりました

 

 

 

 


生活見習い、雨宿り

 


傷口に反射する虹彩、女の人の独り言 駅のトイレ 深夜改札 夜は深く 沈んでゆく これから

目を閉じて拭えば億千の星、一番光るピンクブラウン 今日一日のお守りを落とす瞬間、魔法はとけますか、それともはじまりますか、そんなに変わらないよと、それがもう魔法なのでありました

生活模倣、どうやって生きてたんだっけ、生かされてたんだっけ、自分でやらなくちゃいけなくなってはじめて、生活像をなぞっている、ぼんやりと。

微熱と幸福。善良に生きるだけ罰が欲しくなる性かもしれない でもそんなこととっくの昔に慣れて、どうでも良くなって、私は私を認められて気にしていないはずだったよ、弱さを出す強さ、今の私にはどこにもなかった、夏、血と熱と生のにおい。バタフライナイフをバターナイフに持ち替えてなお鋭い日々でいれるのか、日常に降伏することを幸福と呼ぶならば、そんな仮定は取り払われ穏やかな空

バイト先で聞く客の政党の話、ビットコインの話 どれひとつどれもどうでもよかった。私は生活について考えている。ここずっと。しあわせな生活をもって、そんな欲が出るなんて恐ろしいと思った。だって私はいま、なにもいらないのだ

グッバイティーンエイジジーザス、

網戸越し 薄青に雲が流れて午前四時の風、眠らず朝を迎えたことに喜びを隠せない子どもでいることに安心している 二人のことを考えて鏡に向かって世界は大丈夫なんだって安心する、孤独と孤独が交われるところまで、カセットテープが擦り切れるまで

 

 

 

 

 

ラスターカノン

 


頭の中で飼っている言葉をさらす時

私が脆いからと抱えているのは、かけがえのないゴミなのかもしれないのだと

 

一番わかってほしいのに言えない、一番言いたいことはいつも心臓のあたりでとどまって

 

子供達は電子音に夢中になり、キーボードの予測変換がしきりに愛してると言うように促してくる世界線で僕らは、まだ言葉を発する勇気すら持てていないのか

 

横たわると小説の背表紙と目が合った、

窓から見える水色を背景にして