短篇+ #1

「空き缶とゆううつと」

 

足並みが揃ってしまわないように、半歩後ろを歩く。

彼女は缶ジュースを勢いよく飲むと、振り返り僕に素早く差し出した。

「飲む?」

少しためらいながらも飲んでしまうのが僕の悪い癖だ。

彼女は目を逸らし、遠くを見ていた。

僕も何となく、遠くを見てみた。

この人の中に僕はいない。そんな事はよく分かっている。こういう小さなところでも、痛い程に。

「もう行こっか。あ、それあげる。」

うん、としか僕はいつも言えない。

ぬるい温度でふれあった二人に融点なんてどこにもなかった。そしてこれからもそうなんだと思った。それでも彼女の缶ジュースの残りを飲むことができるのは 他でもない、僕だけだった。

 

(2019.3.9)

 

 

ああ一生このくだらなさのために生きていたい。ダメかな。

この歌詞はこの曲は自分のものなんだと感じること、それを信じて生きる強さ、負けない。ばかばかしいと思われても構わない。ものすごく価値を感じる。生きているとおもう。夜中にこの感じ、突き抜けてしまった後のあれ。

かつてしたように床の上で転がってみても誰も褒めない。声すらしない。

二十歳になったことを忘れているくらいには何も変わっていないし、何も変えていない。鏡を見れば子供がいる。煙草もしないし、お酒も飲めない。夜更かしがだんだん苦手になっていって、早起きももっと苦手になった。でも、好きなものにどんどん素直になって、気づけばこんなところまで来ていた。あ、めまいがする。こんな僕をどうか見捨てないで!

同じような、この景色が見える人はいませんか、共通言語を持った人間は意外と少ない。だからそういった存在は大切にさせてください。朝まで公園で話さん?私、セイユーのジェネリックジュース飲むから。

 

(2019.3.11 2:26)